「窓ガラスコーティング」は窓ガラスをより頑丈にするイメージがある単語ですが、実際には単純に強度を高めるだけではなく、赤外線・紫外線をカットしたり、遮熱効果があったりとそのメリットは幅広く存在します。
その中でもあまり知られていないのが「虫よけ効果」です。どうして窓ガラスをコーティングすることで虫が寄り付きにくくなるのでしょうか。今回は、窓ガラスコーティングによる「虫よけ効果」の仕組みについて解説します。
1.一部の昆虫は光に集まる習性（走光性）がある
とくに夏になると、玄関に備え付けられている照明器具や集合住宅の門の前、または明かりのついた窓周辺に羽虫が集まるのをよく目にするのではないでしょうか。ときには換気や洗濯物の取り込みの際に部屋の中に虫が入ってきてしまうこともあり、困っている人も少なくありません。
一部の昆虫は、元々光に集まる「走光性」という習性をもっています。厳密には光に集まる「正の走光性」と、逆に光を避けようとする「負の走光性」の2つに分かれてています。正負をつけずに単に「走光性」という場合、おおむね光に集まる「正の走光性」を示すことが多いです。前者は蛾やセミやカナブンなどが当てはまり、後者はミミズなどが当てはまります。
こうした習性は生存戦略によって生まれたものと考えられています。たとえば蛾は基本的に夜行性ですが、月明かりのような真上からの平行光を、水平に飛ぶための指標にしているからです。ただし人工光は月明かりとは違う点光源であるため、人工光に引き寄せられると本来の飛び方ができず、光源にぶつかってしまうのです。
2.蛍光灯には微量の紫外線が含まれている
正の走光性をもっている昆虫、たとえばコガネムシやカメムシ、セミや蛾といった昆虫は光だけでなく光に含まれる紫外線も含めて生存戦略に用いているため、光ではなく紫外線に引き寄せられています。
紫外線は人間の目には見えませんが、虫には視認できるものです。とくに虫が低い位置を飛行する際には比較的波長の短い紫外線を指標にしていると考えられています。室内でよく用いられている蛍光灯は、微量な紫外線を出しています。そのため、光に集まる昆虫が外に漏れる蛍光灯の光を目印に窓際に集まってきてしまうのです。
LEDライトには紫外線が含まれていないものが多いため、虫が寄り付かないといわれています。しかし、紫外線LEDライトで虫よけ効果を生むのは正の走光性をもった虫に限られるため、「蚊」や「ゴキブリ」のように紫外線への感受性や正の走光性をもたない虫には効果がありません。
3. 窓ガラスコーティングは紫外線をカットする効果がある
窓ガラスコーティングには、正の走光性をもつ虫たちが低空飛行の指標としている「紫外線」をカットする効果があるといわれています。たとえば、クリスコート株式会社が製造しているコーティング剤「クリスコート」では、紫外線カット率が99%以上となっています。
これは主に窓ガラス自体や室内の家具の劣化につながる「外から入ってくる紫外線を防ぐ」というメリットで語られがちですが、「室内の蛍光灯から微量に出ている紫外線が外に出るのを防ぐ」ため、防虫効果を期待できるのです。クリスコートの場合、室内から外に出ていく紫外線のほぼすべてをカットしているので、光に含まれる紫外線が昆虫たちに届かず、走光性をもつ虫たちが寄り付かなくなります。
4. 紫外線カットは人体や家具にも優しい
紫外線カット効果は虫よけにつながるだけではありません。太陽光や月明かりなどの自然光には、紫外線が含まれています。こうした紫外線は目には見えませんが、人体には有害なものです。
とくに波長の長いUV-Aは皮膚の真皮層にまで届き、浴びすぎると皮膚を守るためにメラニン色素が作られて日焼けします。また、皮膚のソバカスやシミ、目の病気や紫外線アレルギーなど、さまざまなダメージをもたらします。
そして、UV-Bという紫外線は人体への影響こそ少ないものの、室内備え付けの家具類・調度類の退色や劣化の原因とされています。見た目が色褪せるだけではなく内部も脆くなり寿命が短くなってしまうでしょう。
窓ガラスコーティングによって紫外線をカットすることで、虫よけになるだけでなく室内に暮らす人間の身体や家具にも優しい環境づくりができるのです。
5.まとめ
今回は、窓ガラスコーティングの虫よけ効果について解説しました。窓ガラスコーティングによって生まれるメリットとしてあまり知られていないものではありますが、虫が紫外線に引き寄せられていることをご存じなかった方は多いでしょう。
富山県中新川郡立山町の「株式会社コーティングワークス柳平」は、先述の「クリスコート」を使用した窓ガラスコーティングを中心に、さまざまな塗装施工を手掛ける会社です。クリスコートによるメリットの多い高品質な窓ガラスコーティングを検討中の方は、ぜひ弊社にご相談ください。
